2013年

4月

09日

東奔政走 2013年4月9日号

◇安倍首相は現実主義外交を貫けるか

◇支持率70%に潜む国民の不安心理

 

小松浩

(毎日新聞論説委員長)

 

 内閣支持率が実に70%超の安倍晋三政権を支えているのは経済指標の好転、という山田孝男専門編集委員の本欄先週号での指摘はまったくその通りである。発足3カ月でほとんどまだ何も達成していないに等しい政権の経済政策がかくも熱烈に支持されるという事実は、景気は気、経済学とは心理学、という趣をいよいよ深くするものだ。


 経済重視の安全運転とタカ派的カラーの封印が高い内閣支持率の背景にある、とはもはや言い古された感のある分析だが、そういう言説で今の安倍政権を語ればそれで済むという単純な話でもない。なぜなら、国民は「経済を良くする安倍」「タカ派ではない安倍」に安心感を抱いているということであり、そこには普通の人々が欲しているのは抽象的な言辞を弄する政治ではなく、明日の暮らし向きを良くする具体的な政治だ、というしごく当たり前の真理が潜んでいるからである。

 ◇日中リーダーの共通課題

 20歳前後の若い学生たち、とりわけ女子学生たちと意見交換する機会がある時に驚くのは、彼女たちの政治への関心の高さ、それも就職や雇用、少子化や子育てといった問題よりも尖閣諸島をめぐる中国との対立の行方や北朝鮮の核開発・ミサイル開発といった安全保障問題に対する興味の持ちようである。