2013年

5月

21日

東奔政走 2013年5月21日号

◇憲法原理に反する96条改正論

◇民主社会の健全さが試される

 

小松浩

(毎日新聞論説委員長)

 

 大型連休が明け、政局の関心は7月参院選へと向かう。安倍晋三首相の連休中のロシア・中東訪問も、東京ドームでの長嶋茂雄、松井秀喜両氏への国民栄誉賞表彰式出席も、参院選の思惑と無縁ではありえない。首相自ら「親の仇」と公言する参院選だ。あと2カ月余り、政権のあらゆる言動は参院選勝利のため計算され、あからさまに政治性を帯びたものとなるだろう。

 ◇改憲勢力もバラバラ

 なかでも、もっとも政治色が濃いテーマが憲法改正問題である。改憲を堂々と掲げて参院選を闘うとしている安倍政権の下で迎えた今年の憲法記念日は、メディアの論調にも例年になく緊張感が漂った。
 安倍政権が目指すのは、憲法96条の改正である。衆参各院の総議員の「3分の2」以上で改憲を発議して国民投票で過半数の賛成を得る、としている規定を、衆参各院の総議員の「過半数」による発議に緩和することで、憲法改正のハードルを下げて改憲しやすくする狙いだ。………