2013年

5月

28日

チャイナウオッチ 2013年5月28日特大号

不動産価格抑制に力点

◇北京で購入は原則1軒

 

宗金建志

(JETRO北京事務所経済信息部部長)

 

「不動産市場に対するコントロールと保障性住宅(低・中所得者向け公営住宅)の建設を強化する」。温家宝氏(当時首相)が3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で、今年の重点課題の一つに不動産問題を掲げるなど、不動産価格上昇に歯止めをかけ、民生の改善を図りたい姿勢が顕著になっている。

 これに先立つ2月20日の国務院(政府)の常務会議では、投機的な住宅購入の抑制や、保障性住宅の建設加速など5項目の不動産コントロール策が発表されていた。「国五条」と呼ばれる政策だ。これには「現行政策の繰り返しで実質的な効果はない」と疑問視する声もあった。だが、2月26日、国務院弁公庁(日本の内閣官房に相当)から各地方政府と中央各部門に対して、コントロール強化を求める通知が出され、政府の引き締め姿勢が鮮明となった。
 具体的には、北京市や上海市など住宅購入制限を実施中の都市では、新築と中古が共に対象。都市内の全ての行政区域に範囲を拡大することや、住宅価格の上昇が早い都市では、2軒以上の住宅を購入する際の住宅ローンに関して、頭金比率とローンの金利を引き上げることなども示された。
 さらに、中古住宅を売却する場合、購入時と転売時の価格の差額に対して、20%の個人所得税を課すと明確化し注目を集めた。これまでは事実上転売時総額の1~3%か、前述の差額の20%かが選択されてきた。………