2013年

5月

28日

学者に聞け!視点争点 2013年5月28日特大号

社会保険料を社会連帯税へ

◇経済活動に与える歪みも是正できる

 

佐藤主光

(一橋大学政策大学院教授)

 

 社会保障と税の一体改革では、社会保障の財源を「幅広い国民が負担を分かち合う仕組み」を構築すべく消費増税が決まった。他方、年金・医療・介護に係る社会保険料の見直しは取り残されたままだ。その中でも本稿は被用者(サラリーマンなど)の社会保険料の課題と改革について考えていきたい。

 社会保険料は税とは異なり、「負担の見返りとしての受給権を保障する」旨を建前とする。例えば、医療保険料が未払いであれば、原則、保険証を受け取れず、受診時には全額自己負担になってしまう。しかし、社会保険料の実態は税金と変わらない。75歳以上の高齢者を対象とする後期高齢者医療制度は給付費(約13・8兆円)の4割を被用者保険(協会けんぽ・健保組合など)や国民健康保険からの支援金で賄っている。
 加えて被用者保険からは国民健康保険に対して、前期高齢者(65歳以上75歳未満)の医療給付費を補助するため納付金として差し引き3・3兆円の財政調整がある(2013年度予算ベース)。この結果、健康保険組合の保険料収入のうち、後期高齢者支援金と前期高齢者納付金などの占める割合は全組合平均で46%に上る。つまり、保険料の半分近くが組合健保の加入者などに還元されず、高齢者医療への再分配に充てられているということになる。………