2013年

6月

18日

特集:中国・韓国の悲鳴 中国編 「影の金融」急拡大 2013年6月18日特大号

◇高利回りで無理な資金集め 拡大する地方政府の不良債権

植田賢司
(国際通貨研究所上席研究員)

 中国で今、「シャドーバンキング」(影の銀行)と呼ばれる銀行を経由しない金融の拡大が懸念されている。その一つが、高利回りをうたう一般個人向けの金融商品「理財商品」である。こうしたマネーが大量に地方へ流れ込んでいるとみられ、地方政府債務の累増にもつながっている。しかし、中央政府もシャドーバンキングや地方政府債務の実態を把握しきれておらず、このようなマネーの流れが目詰まりを起こすことで、中国の金融システム全体を揺るがす可能性も指摘されている。

 欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスが今年4月、中国の人民元建て長期国債格付けを「ダブルAマイナス」から「Aプラス」へと1段階引き下げた。14年ぶりの格下げの理由として「シャドーバンキングが急拡大し、金融の安定性に対するリスクが高まっていること」を挙げている。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスも同じ理由で同月、中国の国債格付けの見通しを「ポジティブ(格上げ方向)」から引き下げた。

 

 シャドーバンキングとは、通常の銀行ではなく、投資銀行(証券会社)やヘッジファンド、証券化のための特殊な運用会社などの金融業態の総称である。中国では公式の数字は発表されていないが、スイス金融大手のクレディ・スイスは対GDP比44%の22・8兆元(約360兆円)にのぼると推計。中国人民銀行も銀行以外の融資経路を含めた社会全体の資金調達額を測るものとして「社会融資総量」という指標の公表を始めたが、12年の年間フローでは銀行融資以外の資金調達が40%以上を占めるまでになっている。………