2013年

6月

18日

特集:中国・韓国の悲鳴 韓国編 「不動産神話」の崩壊 2013年6月18日特大号

◇“建国以来”の大プロジェクト破綻 増え続ける家計債務も景気下押し

高山武士
(ニッセイ基礎研究所研究員)

 今年3月、「檀君以来(建国以来)最大の事業」といわれたソウル近郊の超大型不動産事業「竜(ヨン)山(サン)国際業務地区再開発プロジェクト」が破綻した。プロジェクトは総事業費31兆ウォン(約2・8兆円)。韓国鉄道公社(KORAIL)の竜山駅周辺で、当時では世界2番目の高さとなる111階建て(620メートル)のランドマークタワー「トリプルワン」を目玉に、商業施設やオフィスビル、居住施設などがそろった複合都市の建設を目指していた。

 しかし、事業主体会社が3月、コマーシャルペーパー(CP)の利払いに行き詰まり、債務不履行が発生。実際に本格的な工事は始まってはいなかったものの、用地の取得などプロジェクトに投じられた4兆ウォン(約3600億円)が回収不能になると見られている。

 

 事業会社には、KORAILやロッテグループなど約30社が出資しているほか、韓国の国民年金基金も間接的に出資。2007年末からプロジェクトの具体化を進めていた。しかし、不動産市況が悪化するにつれ、当初に見込んだ事業資金の調達が不透明になった。プロジェクトから手を引く企業も出始め、ここ数年は事実上、頓挫した状態が続いていた。債務の返済義務が生じるKORAILの経営問題のほか、建設会社連鎖倒産や金融機関の不良債権増加への懸念が拡大している。………