2013年

7月

02日

特集:誰のための原発再稼働 反倫理 2013年7月2日特大号

◇地域と未来に困難と損害を押し付ける原発の反倫理性

池内了
(総合研究大学院大学理事・教授)

 おそらく日本の経済のために原発は不可欠と考えている人でも、内心じくじたる思いがあり、後ろめたい気分から逃れられないのではないだろうか。自分たちの都合のために、原発が必然的に秘めている固有の反倫理性に目をつむってきたことを、薄々感じているからだ。その原発の反倫理性とは次の3点に要約できる。

 一つは、見るべき産業がなく、人口減少に悩む過疎地に原発を押し付けていることだ。内部に危険な放射能を大量に抱え込む原発は、人口が密集する都会に隣接させるわけにはいかないからである。

「現地は歓迎しているではないか」と言われるかもしれないが、それは原発しか選択の余地がないような状態に追い詰められてきたためなのだ。現実に原発が事故を起こしたことで、東京から遠く離れた福島で、東京のためだけに、危険な原発で電力を生産していたことの異様さを誰もが感じたのではないだろうか。………