2013年

7月

02日

特集:金利動乱 誌上覆面座談会 2013年7月2日特大号

◇市場流動性の急低下で揺らぐ国債保有の意義

緒方欽一/秋本裕子
(編集部)

── 運用の現場では国債市場の急変にどう動いたのか。

A 日銀が量的・質的金融緩和の導入を決め、金利が低下(国債価格が上昇)した4月4日は儲かった。残存期間平均7年の国債で運用しているが、午前中の取引で買いポジションを大きく取り、その日の午後に「半年分は儲かった。もう今年はいいか」と思ったくらい。ところが翌5日、国債先物価格でいうと146円から3円の急落。ここでかなりやられた。その後は値が戻る過程で売買しながらポジションを中立にし、5月23日にかけて再び急落する局面で売りを仕掛けて利益を確保した。

 4月以降の売買における利益は、結果的にプラスマイナスゼロ。誤算は日銀の黒田東彦総裁が金融緩和策を一気に打ち出したことだった。国債価格は6月頃にピークをつけると考えていたが、それが4月になった。それでも、この結果は結構いい方だと思っている。

B 私も日銀が4月に金融緩和策を強化した後、金利水準はしばらく低位で推移するだろうとみていた。つまり、価格は高止まりするということ。銀行の多くは4月中に益出しする予定だったので、4月5日はかなり困った事態になったと思う。異次元緩和の内容はあまりに予想外で、10年物金利で0・3%から0・615%まで上がった。1日でここまで振れが大きくなると、「目先の金利の底は打った」となる。そこで銀行を中心に売りが出た。………