2013年

7月

02日

特集:金利動乱 黒田総裁の「誤算」 2013年7月2日特大号

◇「期待」のコントロールは困難 金利の乱高下が当面続く

小玉祐一
(明治安田生命チーフエコノミスト)

 株価の下落が止まらない。日中の値動きが1458円にも達した5月23日の大暴落後、調整は短期で終わるとの大方の予想に反し、株式相場は足元まで軟調な推移が続いている。既に日経平均、ドル・円相場とも、4月4日の「異次元緩和」発動前の水準に戻るなど、ここへきて黒田東彦日銀総裁の「神通力」も随分色あせてきたように見える。

 当初から黒田日銀を悩ませてきたのが、債券相場の不安定化である。黒田総裁が常々述べている通り、景気の回復に伴い金利が徐々に上昇していくのであれば問題はないが、実際の動きはほとんど乱高下というべきで、ボラティリティー(変動率)の縮小が喫緊の課題となっている。

 今のところオペ上の工夫で何とかしのいでいるが、債券相場不安定化の主因は日銀の金融緩和方針にあり、潜在的な不安定性は今後も残り続ける可能性が高い。すなわち、異次元緩和の「長期金利を下げるためには長期国債を買えばよい」との単純な論理が間違っていたということである。日銀の国債大量買い入れで市場が細った結果、逆に流動性プレミアムが乗りやすくなった。高ボラティリティーの状態が続いていることで、銀行勢がリスク管理上、積極的な取引を手控えざるを得なくなっており、少量の売り買いでも値が大きく動きやすくなる展開が続いている。………