2013年

7月

09日

市場変調:通説を正す 金利上昇を容認しなければ株高・円安には戻らない 2013年7月9日号

白川浩道
(クレディ・スイス証券チーフエコノミスト)

 為替市場と株式市場が変調を来している。ドル・円相場は、5月中旬に1ドル=103円台の円安水準まで進み、日経平均株価は1万5600円強まで上昇した。ところが、6月に入ってドル・円相場は再び100円を割れ、97~98円台でうろうろしているし、株価も1万3000円をはさむ水準に下げた。

 その理由として、「バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が5月22日の議会証言で量的緩和の早期縮小を示唆したため、市場のリスク回避モードが強まった」(リスク・オフ説)と解釈する人が多いが、筆者はこうした見方にはくみしない。バーナンキ発言の影響がゼロといわないが、関係は薄いとみている。また、アベノミクスの第三の矢である成長戦略の内容が不十分だったことが株価下落の材料になったとの見方もほとんど意味がないと考えている。

 では、最大の理由はなにか。それは、政府・日銀ともに、異次元金融緩和を大々的にぶち上げておきながら、国債(長期金利)市場が動揺するやいなや、「リフレ政策によってデフレから何としてでも脱却してみせる」という気概を引っ込めたことであろう。要するに、「日本は本当に2%インフレを達成する気があるのか」と外国人投資家が質問したくなるような状況を、政府・日銀が自ら作り出してしまったのである。………