2013年

7月

16日

特集:マネー大逆流 出口と中国 転換点を迎えた市場 2013年7月16日号

◇長引く低金利が作った歪み 過剰流動性相場の難しい出口

黒瀬浩一
(りそな銀行 チーフ・マーケット・ストラテジスト)

 米国で量的金融緩和(QE)縮小の開始時期が視野に入ったことで、米国の株価が下落、さらに世界の金融市場が動揺している。発端は5月22日のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長のQE解除に関する踏み込んだ発言だった。米国で長期金利が上昇(債券価格下落)、株価も下落し、その影響は世界に及んだ。先進国は債券安(金利上昇)と株安のダブル安に、新興国では通貨安も加わってトリプル安となった。

 米国でのQE縮小の観測が世界の金融市場を動揺させたのは、ドルが世界の準備通貨、決済通貨であるうえにQEが約2・3兆ドル(約230兆円)と大規模であったことが挙げられる。FRB以外にも日銀、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)なども量的緩和策を実施しているが、世界への影響力という意味では別格と見てよい。

 ◇株価は現状割高でないが

 2・3兆ドルのQEがもたらした金融資産の価格形成への影響は、総合して「過剰流動性相場」と呼ばれる。その定型的な現象は、低金利と株高の並存だ。………