2013年

7月

16日

特集:仕組み債残酷物語2 トラブルの実態 2013年7月16日号

◇顧客を潰した金融機関 営業姿勢と商品性に疑問

緒方欽一
(編集部)

 社債や国債など一般的な債券にはみられない特別な仕組みを持つ債券。それが仕組み債だ。デリバティブ(金融派生商品)を使うことで、高い利回りも可能にする半面、商品の複雑さとリスクの高さから、トラブルも起きている。

 今年4月。名古屋市内の弁護士事務所で、ある夫婦がSMBCフレンド証券を相手に訴訟を起こす準備を進めていた。夫婦合わせて、仕組み債で多額の損失が出ている。この日は弁護士と訴状の内容を詰めていった。購入時の様子を弁護士に尋ねられ、二人で記憶をたぐり寄せる。

「営業担当者には『こんないい商品、普通の人には教えられません。富裕層限定の高配当の商品ですから、買い占める方もいらっしゃいます。早く予約しないとなくなりますよ』と言われた。結局、高い利回りとか、まやかしだったけど」
 夫婦が仕組み債を購入したのは、リーマン・ショック前の2007年。当時、夫69歳、妻61歳。子供たちはすでに独立して年金暮らし。株や投資信託の投資経験はあったが、積極的に行ってきたわけではない。………