2013年

7月

16日

特集:仕組み債残酷物語2 法廷で食い違う証言 2013年7月16日号

◇「動かぬ証拠」に記憶は不利 自己責任を迫られる購入者

黒崎亜弓
(ジャーナリスト)

 まさか、こんな商品だとは──。損失が生じたことで、購入者は仕組み債が持っていたリスクに初めて気づく。金融機関の説明不備などに憤ってアクションを起こす時、立ちはだかるものは何か。

 今年5月、ある証券会社の神戸支店を60代男性が訪れた。知人に営業マンを紹介され、2007年に仕組み債を1000万円分購入。退職金は当面手を付けないからと“預けた”つもりだった。購入したのは利率と満期償還額がドル・円レートに連動する商品。為替の動向次第で早期償還される可能性がある商品ではあった。だが、早期償還の条件を満たさなければ、満期は20年後だった。

 リーマン・ショック後の円高で仕組み債の評価額は一時、半分程度に。3年前から電話や対面でのやりとりを繰り返す。………