2013年

7月

23日

特集:新興国投資の終わり 第1部 投資の見直しどき 新興国投資の落とし穴 2013年7月23日特大号

 ◇新興国投資の落とし穴 世界の1割にすぎない市場規模 今こそ気を付けたい5カ条

服部哲也
(マイベンチマーク取締役)

 新興国は先進国に比べて高い成長が見込まれる一方、投資には大きなリスクも伴う。しかし、頭では理解しているつもりでも、目先の成長性に目を奪われてしまい、実際の投資に反映するのは簡単ではない。新興国投資のさまざまな落とし穴を理解し、相場が急変する事態となってもあわてないように備えておくことが重要になる。新興国投資で気を付けたい5カ条を整理した。

 

 ◇(1)資産のごく一部に

 新興国というと、BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)に代表されるように、広大な国土と数億の人口を持つ国をイメージするかもしれない。では、株式市場はどれくらいの規模か。先進国、新興国各国の株式市場の時価総額をベースに構成する株価指数「MSCI ACワールド・インデックス」によれば、先進国と新興国の市場規模の割合(時価総額の構成比)は、だいたい先進国9に対して新興国はわずか1にすぎない。

 つまり、世界の株式市場に向き合うなら、新興国への標準的な投資割合は、株式投資金額の10%ということになる。個人投資家が資産の全てを株式で運用することはないわけだから、新興国に振り向ける投資は資産全体のごく一部にとどめておくことが妥当である。新興国へ旅行や出張のほか、実際に赴任した経験のある人も増えてはいるが、その国を知っていることと実際に投資することは別だと考えたほうがいい。高成長が期待できるからと、資産の多くを新興国投資に回さないように気を付けたい。………