2013年

7月

23日

特集:新興国投資の終わり 第2部 大荒れの政治・経済 2013年7月23日特大号

 ◇ブラジル 反政府デモの現場

 ◇貧しい医療、家賃高騰、格差……「目覚めた」中間層の怒り爆発

高橋直子
(リオデジャネイロ在住ライター)

 わずか0・2レアル(約10円)のバス運賃値上げは、抗議運動の発端に過ぎなかった。

 ブラジル最大都市サンパウロ市で6月2日、公共交通料金の値上げが始まったことをきっかけに、ブラジル全土へ飛び火した反政府デモ。フェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、劣悪な公共サービスや格差問題などへの根深い不満を巻き込み、1985年の軍政終了後では最大規模へと瞬く間に膨れ上がった。「この運動はわずかなバス運賃値上げへの抗議ではない」「ブラジルは目覚めた!」を合言葉に、群衆がストリートへと次々に躍り出ていった。

 警察の暴力的な対応も、群集の怒りを助長させた。6月17日にはリオデジャネイロ市でデモ隊と警察が激しく衝突。ゴム弾を撃ち放ち、催涙ガスが立ち込めるなかを逃げ惑うデモ参加者の様子は、ネットの映像を介して国民の怒りをさらに増幅させた。威嚇射撃、夜間に過激化する暴徒、そして上空を飛び交うメディアや警察のヘリコプター。のどかな日常生活を続ける地区がある一方、デモが行われている中心部などの緊張は高まった。………