2013年

7月

23日

FLASH!:FRBバーナンキ議長 2013年7月23日特大号

 ◇議長発言で緩和縮小観測が後退 狙いは金利上昇の抑制か

桂畑誠治
(第一生命経済研究所主任エコノミスト)

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は7月10日、米マサチューセッツ州ケンブリッジで行った講演後の質疑応答で、「米インフレ率は依然低水準で、7・6%という失業率は雇用情勢を誇張している(実際の雇用情勢はもっと良くない)可能性がある。予見可能な将来においてかなり緩和的な金融政策が米国経済には必要である」と述べた。また、「物価と雇用に関するFRBの目標達成が困難になるほど金融の状況が逼迫した場合は、それに対処する必要がある」とも述べるなど、この日のバーナンキ議長は、金融市場の金融緩和継続期待を煽るような発言をした。

 発言の3時間前に公表された6月18、19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、委員19人中、約半数が毎月850億ドルの資産購入の年内停止を支持した。一方で、議決権を持つ委員の多くが、資産購入ペースの減速が必要な状況になる前に、労働市場の見通しの一段の加速が不可欠との認識を示していた。


 6月の雇用者数の上振れもあり、議事録への市場の反応は限定的だった。しかし、9月に量的緩和策第3弾(QE3)の減額を織り込んでいた金融市場は、議長の発言を受け、織り込みの度合いを低下させた模様だ。為替市場では、ドルが対円と対ユーロで弱まった。10年国債利回りは、2・68%から2・5%程度に急低下。S&P500先物も水準を切り上げて推移している。………