2013年

7月

30日

特集:機関投資家の正体 不動産ファンド 2013年7月30日号

関大介
(アイビー総研代表)

 ◇景気回復、地価上昇を見越して集まる内外マネー

 アベノミクスが景気回復による物価上昇を目指していることは、不動産ファンドにとっても追い風となっている。
 不動産ファンドとは、投資家の資金を元に金融機関からの借入金で投資可能額を大きくして不動産投資を行う投資ビークル(投資事業に特化した従業員などを原則雇用しない組合や会社)である。景気回復が賃料や不動産価格の上昇につながる可能性が高くなれば、高いリターンを得られるとの思惑から不動産ファンドは資金を集めやすくなる。

 ◇J-REITに流入

 日本における不動産ファンドは、2種類に大別できる。一つは、内外の金融機関や年金などの機関投資家を特定して組成される私募ファンドだ。この特徴は、投資期間があらかじめ定められている点にあり、大半が3年から7年程度で物件を売却し、投資家に償還する仕組みになっている。

 もう一つは、J-REIT(日本版不動産投資信託)だ。特徴は大半が上場していることで、投資口(証券に相当)が小口化されており、個人投資家の投資が可能である点。また、原則として事業会社と同様にゴーイングコンサーン(継続企業)であることだ。投資家は、証券市場で売買することで投資資金を回収する仕組みになっている。2012年末の運用資産規模は、私募ファンドが10兆5000億円程度、J-REITが9兆円程度になっている。………