2013年

7月

30日

特集:機関投資家の正体 相場の主役はこう動く(1) 株式市場 2013年7月30日号

丸山俊
(BNPパリバ証券日本株チーフストラテジスト)

 ◇海外年金マネーは「出口」で日本に向かう

 内外の年金や保険、銀行、ヘッジファンドなど機関投資家の投資動向が、日本株に大きな影響を及ぼすのは今も昔も変わらない。
 1990年代前半まで存在感の大きかった年金は長期投資で、大型株を中心に運用している。ただし、株式より債券の方が魅力的であると考えれば、株式への投資配分を減らすことがあり、年金にとってはアセット・アロケーション(配分)が非常に重要である。国内には世界最大の110兆円超の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や国家公務員共済組合連合会(KKR)、民間企業の年金基金などがある。

 ◇年末までに1万8000円

 海外には公的年金として積極的に市場運用を行っているノルウェー政府年金基金、米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)、民間では例えば米ゼネラル・エレクトリック(GE)の退職年金を運用しているGEアセットマネジメントといったところが有名だ。保険料を徴収して運用している日本の保険会社も80年代は積極的な市場運用で「ザ・セイホ」として世界にその名を轟かせていたが、バブル経済崩壊と近年はソルベンシー(保険金支払い能力)規制によって株式などのリスク資産の保有を大きく減らしている。

 代わって、近年は確定拠出型年金(401k)の普及や銀行の窓口販売解禁といった規制緩和(金融ビッグバン)、インターネット証券の勃興による個人投資家のブームなどもあって投資信託がじわじわと影響力を高めている。これらの機関投資家の運用スタイルには、テクニカル指標を重視したシステム・トレーディング、割安株に着目するバリュー投資、株価が上昇トレンドに入り、順調な業績の伸びに着目するグロース投資などがよく知られている。最近は低金利を背景に高配当利回りに着目したバリュー投資ファンドが人気を博し、長期的な視点で安定収益を重視する年金も配当を重視する傾向にある。………