2013年

7月

30日

貿易:動き出した米欧FTA交渉 2013年7月30日号

安井明彦
(みずほ総合研究所政策調査部長)

 ◇「国際標準」巡る競争が加速

 米国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)締結に向けた第1回目の交渉が、7月8~12日にワシントンで開かれた。両者は、2014年までに関税撤廃や非関税障壁の見直しなどを目指す。ただ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)も同時並行で進める米国の真の狙いは、工業製品の統一規格など国際ルール作りの主導権掌握だ。

 ◇国内規制の打破

 EUとのFTA締結を目指す米国の動きは、今年に入って急速に加速している。オバマ米大統領が交渉入りの姿勢を明らかにしたのは、今年2月の一般教書演説だった。それから半年足らずで、今回の第1回交渉が実現した。

 とはいえ、ここまでの道のりが、平坦だったわけではない。EUが交渉開始の是非を議論した際には、フランスが映画や音楽などの保護継続を強く求めた。第1回交渉の直前には、米国家安全保障局(NSA)による盗聴問題が発覚し、一時は交渉の延期が取りざたされた。………