2013年

8月

06日

特集:食える弁護士、食えない弁護士 第2部 第一人者が斬る!企業法務 知的財産権 2013年8月6日特大号

 ◇太陽光パネル、半導体没落に学ぶ 企業知財部はコンサル型に脱皮を

談=鮫島正洋
(内田・鮫島法律事務所代表パートナー)

 1990年代後半、太陽光パネルで世界9割以上のシェアを持っていたシャープがなぜ没落したのか。2000年以降、シャープが特許取得に力を入れなくなったという分析も聞かれるが、私は特許のコモディティ化への対応が遅れたことに根本的な原因があると考えている。
 シャープが太陽光パネルを初めて発売したのは1964年である。その数年前から基本特許を取得し、その後も順次改良特許の取得を重ねており、基本特許が切れた80年以降もその改良特許が効いたからこそ、00年頃までは特許がシェア獲得に直結したのだろう。
 だが、特許は必ず20年で切れる。60年代前半に取得した特許が切れた当時、満了特許だけで製造可能な製品は、市場が求めるスペック(性能)のレベルには到底届かなかった。だが、時間の経過とともに、満了特許の数も、満了特許だけで製造できる製品のスペックも徐々に上がっていく。
 期間満了前の特許を使わなければ、市場が求めるスペックの製品を製造できない間は、特許はシェア獲得に有効だ。だが、期間満了特許だけで製造可能なレベルが市場が求めるスペックと合致した瞬間、その市場は誰でも参入できる市場になる。いわゆる「技術のコモディティ化」である。………