2013年

8月

20日

特集:世界経済「出口」の後 第2部 日本経済とマーケット 日本経済展望 2013年8月13・20日合併号

 ◇財政・金融政策が押し上げ 米国の外需効果も


下田裕介
(日本総合研究所マクロ経済研究センター副主任研究員)

 アベノミクスが始動してから7カ月が経過。日本経済は昨年末を底に回復傾向が続いている。円相場や株価は一時的に乱高下した局面もあったが、円安・株高基調は崩れていない。これに伴い消費者マインドや企業の景況感は大幅に改善している。「期待」に働きかけるという点では、アベノミクスは一定の成果をもたらしたと言えよう。今後はこれまで期待面で実現してきたプラス効果が、実体経済へ波及するか否かが焦点となってくる。
 内需では、アベノミクスの第一の矢である大胆な金融緩和と、第二の矢の機動的な財政政策が早々に打ち出されたことで、押し上げ要因が2013年度に集中して顕在化する見通しである。一つには、12年秋以降の株価上昇が、家計の金融資産の価値増大に伴う資産効果を通じて個人消費を押し上げる見込みである。

 ◇個人消費2%増

 日経平均株価は足元で1万4000円前後で推移し、12年平均比で約5割高の水準にある。仮に現在の水準が続けば、13年の家計の株式含み益は前年比で40兆円前後の大幅増加が見込まれる。家計の消費支出とそれを決定する要因との関係を表した消費関数を用いて、この株式含み益が消費に与える影響を試算すると、個人消費を2ポイント弱押し上げる効果がある。
 さらに、公共投資や消費税率引き上げに伴う駆け込み需要などの政策効果も、景気を押し上げる見通しだ。………