2013年

8月

27日

スポーツ計時:進化するスポーツ計時の世界 2013年8月27日号


 ◇フライング判定が新たな課題

織田一朗
(山口大学時間学研究所客員教授)

 今夏のスポーツは、国際陸上競技連盟(IAAF)主催の世界陸上2013モスクワ大会(8月10~18日)で盛り上がった。日本では陸上競技の人気が一時低迷したこともあったが、超人的スピードで走るウサイン・ボルト選手や高校生スプリンター桐生祥秀選手の出現で注目が集まった。ボルト選手は世界記録の更新、桐生選手はアジア人初の9秒台に関心が高まったが、意外に知られていないのが、記録を測定する「スポーツ計時(けいじ)」の世界だ。
 記録上は同タイムでのゴールもあり得るが、陸上競技では順位付けが必然なので、「同タイム、着差あり」のケースも起きる。前回の韓国・テグでの世界陸上では女子の100メートルハードルで2位と3位が12秒47の同タイムとなり、昨年のロンドン五輪でも女子のトライアスロンで同タイムが出て、ビデオ判定の結果、メダルの色を分けた。
 短距離走の場合、通常は100分の1秒単位で記録が取られるが、着順が確定できない場合は、計時装置の電子化と進化によって画像を1000分の1秒単位に切り替えて判定するケースが増えた。だが、それでも判定が難しい場合がある。………