2013年

9月

03日

特集:本当に強い株・投信 第1部 日本株編 新規上場に要注目 2013年9月3日特大号

 ◇初値が公開価格に28連勝! マザーズ銘柄の好調際立つ

西堀敬
(日本ビジネスイノベーション代表取締役兼東京IPO編集長)


 今年のIPO(新規株式公開)市場が絶好調だ。
 IPO件数は7月30日に東証マザーズへ上場したネクステージまで24社だが(8月19日現在)、すべての銘柄の初値が公開価格(公募株価、売り出し株価)を上回る「全勝」状態が続いている。この初値が公開価格を上回る状況は、昨年12月にIPOしたユーグレナ以降、28連勝となっている。また、公開価格と初値を比較した「初値騰落率」をみても、今年は24社の平均が130%上昇と2005年以来の高水準にある。足元のIPOの市場環境を踏まえれば、今後もしばらく連勝街道は続くと考えられる。
 00年以降の日本のIPO市場を振り返ってみると、年間100~200件で推移してきたIPOの社数は08年以降に急減。09年には19社まで落ち込んでしまった。その背景には、06年にライブドアが証券取引法違反の疑いで強制捜査を受けた「ライブドア・ショック」により、上場企業の内部統制が厳しくなり新興企業がIPOに慎重になったことが要因として挙げられる。上場準備には通常、監査法人による監査や内部統制の確立など最低でも2~3年はかかり、IPO件数には遅れて影響が表れるためだ。その後、IPOの社数は徐々に回復してきており、今年は年間で60社程度まで増える見込みである。

 ◇完全な売り手市場に

 では、どうしてIPOの初値が好調なのだろうか。その理由として、IPO株式が完全な売り手市場になっていることがある。新興市場でのIPO企業の1社当たりの資金調達額は12年は13億円、13年が16億円と、30億円を超えていた05年と比べても非常に低い水準となっている。一方、新興市場の売買はアベノミクスによる景気回復期待から活発化しており、マザーズ、ジャスダック両市場の売買代金は今年5月、月間で計7兆7000億円と、郵政解散選挙後に大幅株高となった06年1月(7兆3435億円)を上回っている。………