2013年

9月

24日

特集:汚染水で噴出「東電破綻」説 国費投入の汚染水対策は東電破綻を回避する欺瞞 2013年9月24日号

古賀茂明

(元経済産業省官僚)

 

 2020年の東京五輪開催を決めた9月7日(現地時間)の国際オリンピック委員会総会。安倍晋三首相は最終プレゼンテーションで、東京電力福島第1原発事故について「状況は制御されている」「東京にはいかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはない」と世界に大見えを切った。 

 しかし、政府が3日に了承した国費470億円を投じる汚染水漏れ対策について、確実に汚染水を止められるという専門家はほとんど見当たらない。原子炉建屋を凍土方式の遮水壁で囲む方法も、その手前のタンクから漏れた汚染水が地下水に達して海に流出し始めたという新たな問題には全くお手上げだ。「状況が制御されている」とは全くの嘘だ。

 

 安倍首相が汚染水対策で「国が前面に出る」と言ったこともおかしい。もともと、国は実質的に東電の支配株主であり、前面に出て東電をコントロールする立場にある。では今、安倍首相が「国が前面に出る」と言う本当の意味は何か。それは、「銀行の4兆円の借金を守るために国費を投入し、すべて国民につけ回しする」ということだ。これは、国が「東電は絶対に破綻させない」という意味になる。………