2013年

10月

29日

特集:特集:勝ち抜くための経済学 今さらですが編 Q 物価は低い方がいいのになぜインフレ2%を目指すのか 2013年10月29日特大号

 A 失業率とインフレ率は反比例 不本意な失業を生まないため

 

永濱利廣

(第一生命経済研究所主席エコノミスト)

 

 個人の生活では物価は低い方が助かると誤解しがちだが、マクロ経済の視点ではデフレは解決すべき問題である。

 この認識は多くの専門家が共有している。なぜなら、ハイパーインフレを除けば、インフレよりも物価が下落するデフレの方が経済的被害を受ける人が多いからである。すなわちデフレは失業を増やすメカニズムを働かせる。

 その仕組みを説明する。まず、デフレは実質金利を引き上げる。

 実質金利とは、ごく簡単に言えば銀行の店頭に表示されている“見かけの金利”である「名目金利」から、この先予想される物価の変動率「期待インフレ率」を差し引いた金利のことである。つまり、次の式で表される。………