2013年

11月

12日

パワーゲーム:イラン核開発協議 2013年11月12日特大号

 ◇ロウハニ大統領が新提案で揺さぶり ウラン5%濃縮容認を巡る駆け引き

 

会川晴之

(毎日新聞編集委員)

 

 イランの核開発を巡る国連安全保障理事会の常任理事国(米英仏露中)とドイツを加えた6カ国(P5+1)とイランの協議が10月15、16の両日、スイスのジュネーブで半年ぶりに再開した。「対話」を掲げるイランのロウハニ新大統領が8月に就任して以後、初めてとなった交渉では、イラン側が「不要な危機の終幕と新たな展望の幕開け」と題した3段階の措置を説明。協議の調整役を務めるアシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表(外相)は「有益で実質的な協議だった」と評価するなど一定の進展をみた。両者は11月7、8日にもジュネーブで協議することを確認し、イランを巡る外交ゲームが本格化する。

 各種報道によると、イラン側は、国際社会が懸念を強めるウラン濃縮活動の一部制限や透明性の拡大について、提案した模様だ。具体的には、①イラン中部のナタンツとコム(ファルドウ)で実施している20%濃縮の縮小、②すでに保有している20%濃縮ウランを、核燃料に加工する、③濃縮に使用している遠心分離機の削減──などと見られている。

 

 ◇兵器級ウラン製造は可能

 

 提案内容の分析に入る前に、イランの核開発の現状をおさらいしておく。国際社会が懸念するイランの核開発は大別して二つある。一つ目は、ウラン型核兵器取得につながりかねないウラン濃縮活動、二つ目は、プルトニウム型核兵器取得に道を開く重水炉建設計画だ。国連安保理は、いずれの活動も停止するよう求めている。………