2013年

11月

12日

FLASH!:天安門前の車炎上事件 2013年11月12日特大号

 ◇謎残るウイグル人「テロ事件」 3中全会前に政治利用の動き

 

金子秀敏

(毎日新聞専門編集委員)

 

 北京の天安門前で10月28日正午すぎ、長安街の歩道を暴走してきた四輪駆動車が石柱に激突し炎上した。乗っていたウイグル人男女3人と巻き込まれた観光客2人が死亡し、40人近くが負傷する惨事となった。

 車の残骸は天安門に掛けられた毛沢東の肖像を見上げる位置にあった。中国の国家権力を象徴する「聖地」の一角だ。ウイグル人の住む新疆ウイグル自治区は、根強い分離独立運動があり、最近はアルカイダ系イスラム原理主義勢力の浸透で治安当局との武力衝突が起きている。天安門とウイグルという言葉から、イスラム原理主義者が中国共産党を標的にし始めたのではないかという連想が起きても不思議はない。世界の目が天安門に集まった。

 しかも、「イスラム過激派のテロ」という見立ては、中国公安当局が中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に流した情報を海外メディアに報道させて作り上げた形跡が見られる。薄熙来元政治局委員の裁判報道以来、公安当局はインターネットを使って西側メディアを操作する手法を使い出した。………