2013年

11月

19日

エコノミストリポート:盗聴 諜報活動で揺れる米国 2013年11月19日号

 ◇同盟国への盗聴は許されるのか 問われるオバマ大統領の行政能力

 

安井明彦

(みずほ総合研究所政策調査部長)

 

 米国のオバマ政権が、盗聴問題で揺れている。

 米国民を対象とした通信情報の大量収集など、主に国内の情報活動の発覚を発端とした論争は、ドイツのメルケル首相への盗聴疑惑が明らかになったことで、外交問題に発展した。盗聴の事実を「知らなかった」とするオバマ大統領の、行政能力が問われている。

 

 ◇米議会の理解者も激怒

 

「今度こそ本当に困った事態に陥った」

 米国で盗聴問題の渦中にある国家安全保障局(NSA)の職員が、米外交専門誌『フォーリン・ポリシー』に漏らした言葉である。

 米国では、ドイツのメルケル首相の携帯電話がNSAに盗聴されていたとの疑惑が波紋を呼んでいる。10月28日には、これまでNSAの良き理解者だった上院情報特別委員会のファインスタイン委員長が声明を発表、「(友好国首脳への盗聴には)絶対に反対」とした上で、「情報活動の徹底的な見直しが必要」とした。冒頭の引用は、この声明への反応だ。………