2013年

11月

26日

特集:東電解体 銀行震撼 2013年11月26日特大号

 ◇1・9兆円の緊急融資の憂鬱 銀行を悩ます東電の巨大リスク

 

小野展克

(嘉悦大学准教授)

 

 福島原発事故の直後に実施した東京電力への1・9兆円の緊急融資をめぐって、三井住友銀行など主力銀行の苦悩が深まっている。銀行側は、緊急融資を返済の優先度の高い「一般担保付」に変更したい考えだ。ただ、返済期限が10年の長期融資もあり、すぐには切り替えが進まない。さらに政府・東電内に東電を2016年度にも持ち株会社に移行、「火力発電」などを分社化する構想が浮上している。担保の中核である火力発電が売却される可能性も出てきたのだ。

 懸案となっていた除染については、国家負担の道筋が見え始めた。収益力回復のカギを握る柏崎原発の再稼働も現実味を帯びている。しかし、廃炉、賠償も含めた十字架を背負う東電の返済力はいまだに不安定なまま。自民党の一部には東電の経営破綻で緊急融資を毀損させ、国民負担を少しでも軽くすべきだとの強硬論もくすぶっている。1・9兆円の緊急融資が、巨大なリスクとして主力行の経営陣を憂鬱にしている。

 

 ◇東電解体シナリオ

 

「こんなことになるのなら、緊急融資なんて絶対にやらなかった。返済期限がきたら順次、返済してほしいのが本音だ」………