2013年

11月

26日

特集:東電解体 2013年11月26日特大号

 ◇東電の破綻処理は不可避 原発政策の一大転換点

 

古賀茂明

(元経済産業省官僚)

 

 原発問題を巡って日本は今、大きな岐路にある。実質的に破綻状態の東京電力は、11月中にも示す総合特別事業計画の見直し作業を続けている。原子力規制委員会も東電柏崎刈羽原発6、7号機の安全審査を始める。しかし、これらは東電の破綻を回避する延命策でしかなく、復興はさらに遅れるだろう。今こそ東電の破綻処理を正面から議論すべき時だ。

 実はすでに一部の電力会社経営陣は、脱原発もやむなしという考えに傾いている。そのきっかけとなったのが、経済産業省が10月に施行した、廃炉に関する会計規則の変更だ。これまでは稼働開始から40年未満の原発を廃炉にすれば、多額の特別損失計上によって大赤字に転落し、場合によっては債務超過になりかねなかった。電力会社からみれば、廃炉はありえない選択肢だった。

 経産省は福島第1原発5、6号機の廃炉を迫られている東電の負担を軽くしようと、廃炉の費用を電気料金の原価に算入できることにした。原発は核廃棄物の最終処分も進まず、民間のビジネスとしては成り立っていない。東電のための会計規則の変更は、他電力会社にとっても廃炉の際の負担軽減となるため、無理に今後も原発を持ち続ける理由が薄れてしまった。国のエネルギー政策は原発を維持する方針であるにもかかわらず、東電の破綻回避の方策が、他電力の廃炉の引き金になるという予期せぬ結果を招いている。………