2013年

12月

03日

エコノミストリポート:厄介な外字 登録・管理のコスト年30億円以上 2013年12月3日号

 ◇使用制限のコンセンサス必要

榎並利博
(富士通総研経済研究所主席研究員)

 外字問題と言われてピンとくる国民は少ないだろう。「人の名前をパソコンで表示しようとしても漢字が出てこない」「戸籍や住民票を取得したら自分の名前がいつも使っている漢字とは異なっていた」という経験はないだろうか。

 どれぐらいの国民が外字を保有しているのかという明確なデータはないが、国会議員の名簿を調べてみると数パーセント、つまり20人に1人程度は外字を保有しているとみられる。例えば、菅直人元首相の「直」という字も、正式には外字が使われている。
 通常私たちは外字を手書きしたり、JIS第1水準・第2水準に置き換えてパソコン入力するなどして、特に問題を感じていないことが多い。ところが行政手続きの現場ではそうはいかない。行政機関が相互に、あるいは行政機関と民間企業の間で、氏名情報をデジタルデータで交換しようとしたとき、問題が起きる。外字部分が伏せ字となって正確に伝わらない。このことは、年金納付記録問題の要因の一つともなっているのだ。………