2013年

12月

10日

特集:緩和相場の毒 最高値更新の米国株 2013年12月10日号

 ◇最高益でも伸びを欠く企業収益 緩和策が支える「不健全な株高」

 

黒瀬浩一

(りそな銀行チーフ・マーケット・ストラテジスト)

 

 米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長就任が確実視されているイエレンFRB副議長が11月14日、上院の指名承認公聴会に臨んだ。議会証言後、米国株は史上最高値を更新した。焦点だった量的緩和からの「出口」について、イエレン氏の発言は金融緩和に積極的で非常にハト派的な内容だったうえに、「資産市場はバブルではない」という認識を示したことが、強気材料となったのである。その後も米国株は続伸する展開となった。

 株式相場は、経済のブームを反映する。過去に株価が史上最高値を更新した際、たとえば2000年は「IT革命」、07年は「コモディティー・スーパーサイクル」(資源や穀物などの長期上昇局面を指す)などの流行語が生まれた。そして、「市場のエネルギー」とも表現される出来高(市場全体の売買株数)は高水準となるのが通例だ。

 ところが、足元では企業収益は過去最高だが、出来高は取引所外の私設取引システム(PTS)への移行もあり、そこまで高くない。………