2013年

12月

17日

特集:節税と脱税の境目 相続財産隠しの手口 2013年12月17日特大号

 ◇「名義預金」「貸付金」……税理士が挑む5パターン

 

天野隆

(税理士法人レガシィ代表社員税理士/公認会計士)

 

 相続専門の税理士の仕事は、相続対策や相続税の申告のサポートだけではない。相続人の一人から、他の相続人が遺産を隠していないかという調査を請け負うこともある。本来は被相続人のものだったはずの相続財産を、他の相続人に分からないよう隠し、自分の財産としてしまうことがままあるのだ。その手口は、大きく①名義預金、②貸付金、③遠隔地預金、④会社設立、⑤渡した生活費――の5パターンに分けられる。これらを丹念に追うことで、相続財産の本当の姿が見えてくる。

 ◇自分名義に変える手口

 

 財産隠しで最も多いのが、他の相続人が気付かないうちに、自分名義の預金に変えてしまう「名義預金」だ。ある資産家の女性が亡くなったケース。女性には長女、長男の2人の子がおり、女性は長男と同居していた。相続時には長女も亡くなっており、「代襲相続」(相続人に代わってその子が相続すること)する長女の子2人から、「おじ(長男)が財産を隠していないか調べてほしい」という依頼を税理士が受けた。………