2013年

12月

17日

特集:節税と脱税の境目 調査官はココを見る 2013年12月17日特大号

 ◇突然訪れる相続税の税務調査 周到な質問への備えが必要

 

服部誠

(税理士法人レガート代表社員、税理士)

 

 「相続税の申告書についてお話をうかがいたいんですが」──。相続税の申告から1年~1年半がたったころ、そんな電話がある日突然、税務署からかかってくることがある。それが相続税の税務調査だ。しかし、ほとんどの人にとって税務調査は未経験。突然の電話に慌てふためき、恐怖心を覚える人も少なくない。相続税の税務調査はどのように進み、どんなポイントを調べられるのか。2年ほど前に夫を亡くしたAさん(73)を仮定して、税務調査の実際と対策を紹介したい。

 税務署からの電話の2週間後。東京郊外の住宅地にあるAさんの自宅に午前10時、相続税担当の国税調査官が2人やってきた。相続税の申告をお願いした税理士にも来てもらい、応接間のテーブルをはさんで調査官と対面する。一人はベテラン、もう一人は若手。若手の調査官は分厚いファイルを持ち、メモの準備に余念がない。

 Aさんの夫は昔からの地主の家系で、近隣に賃貸アパートなどを所有。相続税評価額は4億円で、専業主婦だったAさんと長男(48)、次男(45)、長女(43)の4人が相続人だ。調査官の質問は家族構成の確認に始まり、それぞれの職業や年収、所有する不動産などを細かく尋ねてくる。………