2014年

1月

07日

特集:経済大予測2014 第1部 世界の潮流 世界経済を読むポイント 2013年12月31日・2014年1月7日合併号

 ◇新興国株、米国債、円が売られる 量的緩和に代わるのは「通商政策」

 

豊島逸夫

(豊島逸夫事務所代表、マーケット・アナリスト)

 

 最近、米ウォール街を回り、ヘッジファンドや、年金基金などの機関投資家とのミーティングを重ねた。そのうえで筆者が見る2014年のヘッジファンド運用戦略の最大公約数は、①新興国株売り・欧州株買い、②米国債売り、③円売り・英ポンド買い、④日本株買い、の四つである。

 かつてジョージ・ソロス氏と共にヘッジファンドを設立し、今なお著名投資家として名を馳(は)せるジム・ロジャーズ氏は、一家そろってシンガポールに移住し、娘を中国人学校に通わせるほど「新興国投資」の象徴的存在だ。その彼が、2年前から私と対談する度に繰り返す言葉が「新興国市場は、まだショート(売り)だ」。中国は長期的には成長路線を歩んでいるが、短期的にはマネーを入れる時期にあらず、と語る。

 米国の量的緩和縮小着手で新興国市場からマネーが流出すると言われる。13年5月に緩和縮小が市場で意識され始め、経常赤字国の通貨や債券が売られた。特に顕著だったのがブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカの「BIITS(ビーツ)」だ。だが、マネー流出の本番はこれからと見ている。これまで緩和マネー流入の恩恵に浮かれ、構造改革を怠ったツケが回ってくるわけだ。………