2014年

1月

14日

東電:「怪物」東電を制御したい経産省 私募債死守した銀行と最後の攻防 2014年1月14日号

小野展克

(嘉悦大学准教授)

 

 東京電力の「総合特別事業計画」が大筋でまとまり、再建に向けた絵図が見えてきた。計画を主導する経済産業省は、除染への国費投入と引き換えに東電の持ち株会社化や1000人のリストラで、「発送電分離」を軸とした電力システム改革への仕掛けを埋め込んだ。

 一方、2016年度予定の持ち株会社化に合わせて政府が保有する優先株の議決権をなくし、東電の経営の要所に投入している官僚や民間人をいっせいに引き揚げる構想も浮上。東電の生え抜き幹部たちが熱望する経営の自主権回復への道筋も示した。アメとムチを巧妙に使い分けて、電力システム改革と東電の再建を同時に実現したい構えだ。

 ただ、融資を確実に保全したい金融機関は持ち株会社化に難色を示している上、東電も発送電一貫の現体制維持が本音だ。収益回復の切り札である原発の再稼働の行方をにらみながら、東電の最終形をめぐる駆け引きが激しさを増している。………