2014年

2月

11日

特集:円安異変 投機の動き 2014年2月11日特大号

 ◇円急騰劇の背景にヘッジファンド ポジション巻き戻しが相場動かす

池田雄之輔
(野村証券チーフ為替ストラテジスト)

 1月27日早朝。1ドル=101円77銭まで円高が進んだ。わずか2営業日前には1ドル=104円84銭にあったから、あっという間に3円の円急騰劇である。米国株も急落。突如襲ってきた「リスクオフ」の原因について市場は、「アルゼンチンのデフォルト懸念」「中国景気への悲観論」「米国緩和縮小への警戒」など、後講釈を試みる。しかし、決定的な原因はなかった。

 アルゼンチンは、そもそも2001年の国債デフォルト以降、国際金融市場から隔離状態にあり、1997年のアジア通貨危機のような広範な伝染を呼び起こすことはあり得ない。一方、仮に中国景気失速や米国の金融引き締めを懸念するのであれば、本来真っ先に急落するはずの商品市況が、ほとんど調整しなかった。相場の各所に「ちぐはぐ」が見られる場合、往々にしてヘッジファンド勢の投機ポジション調整が悪さをしている。
 6年ぶりに危機対応モードから解放された今年のダボス会議では、14年最大のリスク要因として「慢心」を挙げる参加者が多かったようだ。今回、グローバル金融市場で玉突き現象を起こしてしまったポジション巻き戻しの動きの元をたどれば、まさに「行き過ぎた楽観に対する市場の自律的な調整」に行き着く。………