2014年

2月

18日

エコノミストリポート:景気回復のアキレス腱 2014年2月18日号

 ◇深刻化する人手不足 外国人に頼らずとも解決できる

 

北井義久

(日鉄住金総研チーフエコノミスト)

 

 日本経済は回復基調をたどっているが、その中で新たな課題が表面化してきた。人手不足である。建設業では復興関連工事が増加している東北地方をはじめとして、2012年から建設労働者不足が深刻化していたが、13年以降、人手不足が他の産業にも波及してきた。建設業では、人手不足が技能工だけではなく、設計士・現場監督など、ほぼすべての職種に拡大しており、建設業における人手不足状態は07年の前回ピークを既に超え、20年のオリンピックまでこの状態が続く可能性が高い。

 建設業以外に目を転じると、個人消費が好調な流通業における人手不足が顕在化している。個人消費は労働需給の改善や「アベノミクス効果」による消費者心理の好転により予想以上に拡大し、大手コンビニやスーパーの売り上げや収益は好調である。その結果、コンビニの店舗増加ペースは、11年の1025店舗から12年に2508店舗に急増し、13年も12年並みのペースが維持されている。ショッピングセンターやドラッグストアなどの大型店舗の投資動向を示す大規模小売店立地法の届け出件数も11年の579店舗から12年に729店舗に増え、13年も12年並みのペースを維持しており、リーマン・ショック以前の出店水準に戻っている。

 

 ◇急速に進むパート不足

 

 新規出店に伴って、パートを中心に求人は増加している。1店舗当たりのパート数は総合スーパーでは8時間換算で200人弱、食品スーパーで70人前後、コンビニ(店舗要員全体)で10人前後と推測され、実際には延べ人数でこの数倍のパートを新規出店時には集める必要がある。………