2014年

2月

18日

特集:FRBと日銀 次の一手 各国中央銀行次の一手 欧州中央銀行 2014年2月18日号

 ◇迫るデフレの危機 独自緩和策の必要性高まる

 

濱﨑優

(三井住友アセットマネジメントシニアストラテジスト)

 

 ユーロ圏経済は、6四半期続いたマイナス成長から2013年4~6月期にようやくプラス成長に転じ、14年は1%程度の実質GDP成長率が予想される。ドイツなどの財政健全国ばかりでなく、厳しい財政緊縮に苦しんだアイルランドやスペインなども景気が底打ちしつつあり、明るい兆しも見え始めている。

 こうしたなか、物価上昇率の鈍化が目立っている。ユーロ圏統合消費者物価指数(HICP)の総合指数の前年同月比の上昇率は、14年1月現在で0・7%と、4カ月連続で1%を割り込んだ。欧州中央銀行(ECB)は2%をやや下回る上昇率を金融政策の目標としているが、13年1月時点では2・0%だったのが、1年で大幅に鈍化してしまった。ECBは、政策金利であるレポ金利(中央銀行の市中銀行向け貸出金利)を5月に0・75%から0・5%へ、11月にはさらに0・25%へ引き下げたものの、物価上昇率は低迷したままである。

 

 ◇物価上昇率1・1%

 

 景気が好転してきたにもかかわらず物価上昇率が低迷しているのは、物価指標は景気に遅行する傾向があり、13年半ばまでの景気後退が1年程度遅れて物価に反映されているためと考えられる。したがって、このまま景気回復が続けば、14年後半にも物価上昇率が上がることも期待でき、ECB理事会が13年12月に発表した景気・物価見通しでは、14年のHICP上昇率は1・1%と予想されている。………