2014年

2月

18日

特集:FRBと日銀 次の一手 金融緩和の誤解 2014年2月18日号

 ◇真の目的は財政への資金供給 長期金利上昇リスクが日本を襲う

 

野口悠紀雄

(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問)

 

 世界の中央銀行の金融政策が大きな関心を集めている。ただし、金融政策の目的と効果に関する理解が問題だ。一般には、「金融緩和で市中に大量のマネーが供給され、これが経済活動を活性化した」と解説されている。しかし、現実は大きく異なる。

 次の三つの視点で捉えることが必要だ。

①金融緩和の真の目的は、市中へのマネーの供給というよりは、財政ファイナンス(政府の赤字への資金供給)である。そして、中央銀行による国債購入の直接効果として、金利抑制が目的とされている。

②欧米の金融政策が国際的投機資金の流れに影響する。これによって為替レートも大きく変動する。日本では、2013年に引き続き、今後も為替レートの動向が株価を大きく動かし、経済全体のムードに大きな影響を与えるだろう。しかし、これは、実体経済の動きにはあまり影響を与えない。

③長期資産大量購入の結果、中央銀行の資産が劣化する。このため、緩和政策からの出口を探らざるを得なくなる。

 以下では、このような基本的視点から世界的金融緩和とその影響を見ることとしたい。………