2014年

2月

25日

特集:世界史に学ぶ経済 PART2 これが世界史を変えた 気候変動 2014年2月25日特大号

 ◇飢饉をもたらした小氷期 キリストの顔も曇らせた

 

田家康

(日本気象予報士会東京支部長)

 

 気候変動とは、数十年、数百年単位での緩やかな気温の上下動だ。歴史を俯瞰(ふかん)すると、気候変動が人類の生活に影響を及ぼしてきたことは間違いない。

 グリーンランドや南極での氷の層や鍾乳石に含まれる酸素同位体などを用いて、過去1500年の北半球の平均気温を復元する研究が1970年代から精力的に行われてきた。その結果、日本の平安・鎌倉期にあたる9世紀から13世紀にかけて気温が高く、室町時代から江戸時代までの15世紀から19世紀半ばにかけては低温の時代であったとわかった。

 前者を中世温暖期、後者を小氷期と呼ぶ。気候変動の理由は太陽活動の強弱と巨大火山噴火による要素が大きい。気温の上下動はヨーロッパで特に大きく、中世温暖期に農耕地が大きく拡大し、仏ノートルダム寺院といったゴシック建築様式を生む繁栄をみたのに対し、小氷期では飢饉(ききん)、戦乱、疫病が頻発した。………