2014年

3月

04日

エコノミストリポート: 減反廃止は姿を変えた生産調整 主食用か飼料用か農家に迫る 2014年3月4日号

 ◇中途半端な改革

 

青山浩子

(ジャーナリスト)

 

 2013年秋、「政府が2018年度をめどに減反を廃止する」と報道された。確かに安倍晋三首相も国内外の会合で「減反廃止」と発言している。1970年に始まった減反、いわゆる生産調整が約半世紀を経て廃止されると注目を集めているが、実態は完全な廃止とはいえない。

「減反が廃止になれば、農家が制限なく自由に作る。今までコメを作っていなかった田んぼにも植えるので、供給が増え、価格が下がる……」。そんなイメージを抱く人には「それは違う」と言わなければならない。

 農林水産省は、生産調整をやめるとは一度も言っていない。「行政による生産数量目標の配分の見直し」と言っているだけだ。これまで国はコメの過剰作付けを抑制し、米価を維持するため、「これ以上作れば過剰になりますよ」と地方ごとに生産数量目標を配分してきた。事実上の生産調整だ。それにもかかわらず年約8万トンペースで需要は減り続け、特に2012年から13年にかけて32万トンも減った。

 なぜそんなに減ったのか。農水省経営局の福田英明経営安定対策室長は「背景には、需要と供給のミスマッチがある」と言う。実需者が欲しがるコメを産地が提供できていないということだ。コメの生産量は800万トン弱。そのうち7割弱は消費者が炊飯して食べるいわゆる家庭用。残りは飲食店や加工業者が使う業務用だ。食の外部化によって業務用米の需要が増えつつある。ところがコメ産地はコシヒカリをはじめとするブランド米、高品質米作りに偏っている。その結果、生産量が需要量を上回る状態が恒常化し、2013年は約40万トン多かった。同省は、その原因が生産数量目標の配分と戸別所得補償にあるとにらんだ。………