2014年

3月

04日

新興国:「脆弱」な経常赤字の新興5大国 2014年3月4日号

 ◇通貨安で迎える大型選挙

 

三尾幸吉郎

(ニッセイ基礎研究所上席研究員)

 

 2014年はブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカの新興国5カ国で、大統領選など大型選挙が予定されている。高い経済成長によって世界経済での存在感を高めた5カ国だが、昨年以降に共通するのは断続的な通貨の下落傾向だ。特に今年に入っての下落も目立ち、市場では「フラジャイル・ファイブ」(脆弱な5カ国)と呼ばれるようになった。

 これら5カ国に共通するのは、大幅な経常収支の赤字を計上するなど、経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が脆弱な点だ。国内の成長に必要な資本を国外からの直接投資に頼る構造だが、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長(当時)が昨年5月、量的緩和の縮小をほのめかして以降、米ドルにマネーが向かったことで、5カ国の通貨安が一気に進行した。

 足元の経済環境は選挙結果に少なからず影響し、選挙結果はその後のマクロ経済政策にも反映される。今後の5カ国を展望する上で、大型選挙は重要なファクターとなりそうだ。………