2014年

3月

04日

経営者:編集長インタビュー 寺田正秀 SHO─BI社長 2014年3月4日号

 ◇日本の化粧雑貨をアジアに展開

 

 東証1部上場のSHO─BI(ショービ)は、化粧・服飾雑貨を幅広く手がけるファブレス(工場を持たない)メーカー。2013年12月、36歳の寺田氏が社長に就任した。

 

── 事業について教えてください。

寺田 当社はもともとクシ・ブラシやパフなど化粧道具の大問屋(問屋に卸す問屋)として1948年に創業しました。大阪・八尾市のメーカーから商品を仕入れ、当初は地方の問屋向けに販売していましたが、その後小売業者に直接販売するビジネスに転換しました。その間しばらく、ファブレスメーカーを子会社に抱えて分社経営をしていましたが、収益改善と生き残りのため問屋から脱皮しようと、07年にファブレスメーカーを本業にしました。現在は自社製品の売り上げが6割を占めます。

 

── 化粧雑貨は競合が多いです。

 

寺田 当社は日本で唯一の卸売り機能を持つファブレスメーカーなので、企画・製造・卸・売り場まで一気通貫で消費者に提供できるのが強みです。中間流通を排除でき価格を抑えることができます。取引先店舗が1万4000~1万5000店あるので、まとまった量を発注でき、工場との交渉でも価格を抑えられます。

 化粧雑貨は種類が多く、商品も細々としたものが多いので、売り場にとっては管理が非常に大変。そのため当社は、例えば総合スーパーの売り場で一定の棚割りを任せてもらい、自社の小売店のような形で売り場を作らせてもらっています。

 

 ◇コンタクト事業参入

 

── 13年4月にコンタクトレンズメーカーを買収し、コンタクト事業に参入しました。その狙いは。

 

寺田 当社のなかで競争力のある商材の一つが、つけまつげです。その流れで商品群を増やそうと考え、カラーコンタクト(カラコン)に関心を持ちました。ただ、視力補正をせずに黒目の部分を茶色や青色にするカラコンは、当時は雑品扱いで高度管理医療機器に指定されておらず、取り扱いづらい商材でした。それが11年から厚生労働省の許可を得ないと販売できないようになり、法に則った商材をきちんと管理すれば問題ないと考え、参入しました。

 コンタクト業界は、視力補正用は外資系を中心とした大手メーカー、ファッション性があるカラコンは国内の中小メーカーが手がけていますが、当社はその中間、つまり視力補正をしながらファッション性も取り入れた「コスメコンタクト」という新分野を開拓しました。台湾と韓国の工場に委託生産し、14年9月期はコンタクト事業で25億円の売り上げを見込んでいます。

 

── その他の商品は。

 

寺田 13年からむくみを取る着圧ソックスを販売し始めました。真っ黒な商品ばかりだったので、ファッショナブルで、かつ一般医療機器としての機能を持った商品を作りました。また、顔のシワを伸ばすテープなどアンチエイジング商品のシリーズも人気で、40代以上の女性顧客層を広げることに成功しています。

 

── 顧客の年齢層は。

 

寺田 メインは10代から20代なので、顧客の年齢層を上げると同時に、下げることにも取り組んでいます。低年齢層向けで狙っているのが小学生や園児向けのマニキュアや化粧品です。賛否はありますが、おもちゃメーカーが独占している小児用化粧品市場に化粧雑貨メーカーも進出する意味はあるはずです。

 

── 海外展開の現状は。

 

寺田 中国で21年前から委託生産はしていましたが、販売は05年からです。中国以外では東南アジアを中心に11カ国で商品を販売しています。

 つけまつげは、日本で5本ペア1000円(本体価格)する売れ筋を中国でも同程度の価格で販売しており、非常によく売れています。これまでの啓蒙活動が実って、昨年から爆発的に売れるようになりました。

 

── 日本製をアジアで売っているそうですが、競争力はありますか。

 

寺田 日本製の品質は強みです。中国や東南アジアの工場で教育し続けても、日本人の感覚とは違い、後々検品や物流のコストがかかります。日本ではメーカーに頼めば、ある程度期待に沿った商品が出てくるので、後々のコストを考えると見合う部分があります。ビューラー(まつげをカールする道具)やヘアピンの生産は高度な技術が必要なので日本で作っています。

 

── 4月の消費増税の影響は。

 

寺田 単価が安いので、消費増税の影響はほとんどないと考えています。当社は昔から景気に左右されにくい。ただ、時代によって売れるものは変わってくるので、そこは柔軟に対応しています。

 

── 13年9月期の売上高137億円から、将来的に1000億円への拡大を目指しています。

 

寺田 雑貨の世界は、品種ごとにメーカーがあり、10億~20億円規模の小さな会社が多い。トップ企業は40億~50億円なので、トップカテゴリーが25あれば1000億円になる。つけまつげやコンタクトは今期30億円程度になる見通しなので、さらにトップカテゴリーを増やし、海外売り上げも増えれば十分達成が可能だと思っています。1000億円のうち、日本と海外で半々を目指します。相乗効果があれば企業買収も考えています。(Interviewer=横田恵美・本誌編集長、構成=秋本裕子・編集部)

 

 ◇横顔

 

Q 20代の頃はどんなビジネスマンでしたか

A 銀行で法人営業を担当していました。優良企業ばかりを任せてもらえたこともあり、楽しく仕事できました。

 いずれ父から経営を継ぐと思ってはいましたが、10年間は銀行に勤めるつもりが、上場(09年ジャスダック上場)を目指すに当たり、3年で辞めて今の会社に入り、最初は生産子会社でものづくりを担当しました。

Q 最近買ったもの

A 2月4日に就任パーティーがあったので、そのための略礼服を購入しました。

Q 休日の過ごし方

A 3歳の長男、1歳の次男と公園で遊んでいます。

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 ■人物略歴

 ◇てらだ・まさひで

 兵庫県出身。1977年生まれ。2001年慶応義塾大学法学部卒業、みずほ銀行入行。04年粧美堂(現SHO-BI)入社。専務、中国子会社董事長などを経て、13年12月から現職。36歳。