2014年

3月

11日

特集:中国危機の真相 半年余りで4兆円超 2014年3月11日号

 ◇急拡大するネット金融の光と影

神宮健
(野村総合研究所〈北京〉金融システム研究部部長)

 中国金融界では、シャドーバンキング(影の銀行)とともにインターネット金融が大きな話題となっている。
 きっかけは、2013年6月に中国eコマース(電子商取引)最大手のアリババが導入した「余額宝」である。これはアリババの「支付宝(アリペイ)」(ネット上の決済サービス)に口座を持つ顧客が、口座の遊休資金を天弘基金管理会社(投資信託の運用会社)のマネーマーケットファンド「増利宝」に投資するものだ。1元から投資できて、いつでも換金可能(最近は1日5万元などの上限がある)で、ネット上で買い物ができる。

 操作は簡単で、スマートフォンなどから収益を毎日確認できる。2月中旬で年利約6・2%である。支付宝が8億口座を擁することに加え、こうした手軽さから同ファンドは半年足らずで中国最大規模となり、14年1月時点で2500億元(4兆円超)となった。
 余額宝の衝撃は、規模の急拡大にとどまらない。消費者に事実上、市場金利が付いた決済性預金を提供した。またファンドの最低購入額を、これまでの通常1000元から1元まで引き下げたことでファンドの大衆化や購入層の若年化を進めた。………