2014年

3月

11日

特集:中国危機の真相 理財商品の仕組み 2014年3月11日号

 ◇国内景気支える仕掛けが崩れる

五味佑子
(国際通貨研究所開発経済調査部研究員)

 銀行を販売窓口とする銀行理財商品は2010年ごろから急激に増加し、13年6月末時点では約9兆元(約150兆円)に達した。13年末には10兆元を超えた模様だ。ここまで急拡大した背景には、中国経済の高成長を陰で支えてきた「シャドーバンキング」がある。

 ◇13年末で残高は10兆元

 シャドーバンキング問題が注目される以前から、中国には「民間借貸」といわれる地下金融(家族や知人などの個人間の貸し借り)は存在した。むしろ中小企業や個人はシャドーバンキングから資金調達をするのが一般的だった。当局の貸出金利規制があったため、銀行は信用力の低い中小企業に貸し出しを行う動機付けが弱く、日本のように中小企業向け貸し出しを政策的に行う金融機関も整備されていなかったからだ。
 シャドーバンキングは、地方政府にとっても重要な資金調達手段となった。08年に打ち出された4兆元(約68兆円)の景気対策では、地方政府に対し全体の31%にあたる1・25兆元の財政支出が求められたが、地方政府は予算法上、財政赤字を計上することが禁止され、地方債発行・直接の銀行借り入れも原則的に禁止されていた。資金繰りに窮した地方政府は、不動産プロジェクト用に設立した法人「融資平台」による銀行借り入れ・債券発行を通じて資金を確保したのである。………