2014年

3月

25日

電力:ドイツ再生可能エネ推進に黄信号 急速な普及が迫る制度見直し 2014年3月25日特大号

村上敦

(ジャーナリスト)

 

 保守と中道左派が大連立を組んだ第3次メルケル政権が2013年12月にスタートした。メルケル首相は首相再任時のインタビューで「最初に着手するべきはエネルギー政策」と発言し、エネルギー政策は待ったなしの対応を迫られているとの認識を示した。

 エネルギー消費量を半減し、再生可能エネルギーのみによる社会を目指すドイツの政策は「エネルギーヴェンデ(エネルギー大転換)」と呼ばれる。これには22年までの脱原発、50年までの脱化石燃料も含まれる。省エネは順調に進んでいるが、電力部門は緊急の改善を求められている。中でも再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に問題が生じている。

 喫緊の課題といわれているのは、FITの賦課金の上昇に伴う家庭や企業の負担増だ。FITでは電力系統事業者に再生可能エネルギーを発電開始から20年間、全量、優先的に法律で定められた固定価格で買い取ることを義務付けている。電力系統事業者は、買い取った電力を電力取引のスポット市場で即時、全量売却する。………