2014年

4月

01日

特集:景気大失速 中小企業 2014年4月1日号

 ◇駆け込み恩恵少なく反動大きい 増税前に戻るのは至難の業

 

友田信男

(東京商工リサーチ取締役情報本部長)

 

 17年ぶりの消費税率引き上げが目前に迫った。企業の信用調査の観点では、税率引き上げが倒産件数を押し上げるとの議論もあるが、冷静な検証が必要だろう。

 1989年の消費税3%の導入時と、97年の消費税率5%引き上げ時の倒産動向は好対照だった。89年はバブル景気の絶頂期で、企業業績や個人所得が右肩上がりで伸びており、消費税導入を吸収し倒産件数は減少をたどった。一方、97年はアジア通貨危機、さらには山一証券、北海道拓殖銀行など国内金融機関が相次いで破綻する金融危機が発生、不況の真っただ中だった。金融機関の「貸し剥がし」も社会問題になり、政府は98年に特別保証制度を実施して倒産抑制に本腰を入れざるをえなかった。

 倒産件数と消費税は直接リンクしないが、実施時の景気情勢をより強く反映することがわかる。今回の消費税率引き上げは円安・株高を起点に景気回復が緒に就いた時期で、アベノミクスの効果を測るバロメーターにもなるだろう。………