2014年

4月

01日

特集:景気大失速 輸出 2014年4月1日号

 ◇「景気の牽引役」はもはや無理 円安が進んでも輸出は増えない

 

北井義久

(日鉄住金総研チーフエコノミスト)

 

 財務省が公表している貿易指数は、2010年を100として、ある時点の輸出入がどの程度かを示す。輸出入のそれぞれで金額指数、価格指数、数量指数とある。その輸出数量指数をみると、12年9月の87・5が14年1月時点で88・9に増えただけだ。一方、ドル・円レートは、12年9月の77円台を底に20%以上の円安となっている。

 円安が進んだわりになぜ輸出が増えていないのか。その理由は三つ指摘できる。①輸出価格の設定方法の変化、②製造業の海外生産シフト、③新興国を中心とした外需の低迷──だ。

 

 ◇理由① 下がらない輸出価格

 

 まず輸出価格を確認すると、輸出価格指数(契約通貨ベース)は12年9月~14年1月の期間で、101から99への低下にとどまっている。円安で輸出が増える単純なメカニズムは、円安により日本企業が輸出市場で価格を下げて価格競争力を高めるからだが、価格を下げていないのだから輸出が増えないのは当たり前である。………