2014年

4月

15日

エコノミストリポート:中国の環境汚染 2014年4月15日特大号

 ◇広がるPM2.5や水汚染 健康リスクに対応迫られる中国

 

大塚健司

(日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員)

 

 中国において環境汚染の深刻化による健康影響の広がりが懸念されている。2013年1月に環境保護部は「化学品環境リスク防止管理第十二次五カ年規劃」(「規劃」=計画)の中で「多くの地域で水危機が出現しており、地域の中には『がんの村』等の深刻な健康と社会の問題が生じているところもある」と明記した。

 

 ◇水汚染とがんの相関関係追認

 

「がんの村」とは、水汚染等の深刻化によって消化器系がんをはじめさまざまな疾病が生じている村々の総称であり、中国中央テレビ局(CCTV)をはじめ主要メディアにより全国各地の環境汚染によるがん等の疾病が多発する村落のルポが報じられてきた。政府はこのような状況を追認せざるを得なくなったのである。

 同年6月末には、淮河流域における水汚染とがんの死亡率の関係に関する疫学調査の結果の一部が、衛生部(現国家衛生・計画生育委員会)を中心とする研究グループによって電子版地図集として公開出版された。………